実際の決算は、1.負債及び純資産の状況(ストックの決算) や 2.損益の状況(フローの決算) であり、
国債の評価損益やそれに類する項目はどこにもありません。

つまり、日銀は長期国債について簿価評価を採用している、、、
というのも少し正確ではなく、詳しく言うと償却原価法という方式を採っています。
償却原価法は、取得原価と共に、償還価格との差額(損益)及び通期の利息収入の合算を、
毎決算に利息として計上するというものです。
要するに計上されているのは、取得原価と実行利子という訳ですね。
実は、日銀は評価損を計上していないと言われていますが、長期国債の損失は毎決算に償却されている部分がある訳です。

実際、経常収益に記載されている国債の利息は、簿価581.7兆円に比べ1.3兆円と極めて少額ですが(0.2%、加重平均は0.76%)、
これは、額面以上の価格で購入した国債の償却損益が含まれているためです。

ではなぜ、評価損を潜在的なリスクと見做さなければならないと言うのでしょうか。


〜伝家の宝刀引当金 - 本当に不十分なの?

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