CSISや日本国際問題研究所のシミュレーションでは、
台湾軍は戦闘開始直後から大きな損害を負うと考えられている。

ただ、ウクライナの例を見るまでもなく、戦いにおいて最も重要なのは当事国の「士気」だ。
降伏を選ぶか、それとも前述したようにゲリラ戦を展開しつつ、反攻のときを探るか―。

「シナリオによっては、米軍や自衛隊が駆けつけるのに数日~数週間かかってしまうこともありました。
海に囲まれた台湾には、物資を補給するにも困難がつきまといます。

戦いが泥沼化すれば、今度は中国が核の使用を視野に入れるリスクも出てきます。
こうした困難や威嚇に台湾市民が屈してしまえば、
日本やアメリカが払う犠牲はすべて無駄になってしまうのです」(前出・カンシアン氏)