イスラエルによる攻撃が続くパレスチナ自治区ガザ地区では、水不足が深刻化している。イスラエルは今回の戦闘が始まる以前から、パレスチナ自治区に対する水の供給の主導権を握ってきたとされる。イスラエルによるガザ地区の「完全封鎖」では、改めて水が「武器」として利用された形だ。

 「いまも断水が続いている。国連機関が配布してくれるのは、0・5リットルの水とパン一つだけだ」。ガザ地区のジャーナリスト、タハシーン・アルアスタルさんは20日、毎日新聞のSNS(ネット交流サービス)のメッセージによる取材にこう答えた。

 ガザ地区では9日にイスラエル軍による「完全封鎖」が始まり、水の供給も止められた。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、海水の淡水化装置は停電で停止。激しい空爆のため給水車による配水ができなくなり、地下水の供給も通常の5%まで激減した。

 21日には人道支援物資を積んだトラックがエジプト側からガザ地区に入ったものの、住民のニーズには到底足りない状況だ。