『レクサスとオリーブの木』などの著者で、ピューリッツァー賞を3度受賞しているジャーナリストのトーマス・フリードマン氏は、ユダヤ系の米国人で中東問題への造詣も深く、今回の問題では再三ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿して私見を述べているが、同紙電子版10月16日のコラムでは、イスラエルの取るべき道を次のように示していた。

「もしイスラエルがガザへの本格的な侵攻を見送ったと発表したら、誰がハッピーになり、誰が安心し、誰が怒るだろうか?イランはカンカンに怒るだろうし、(イランが支援するイスラム教シーア派の武装集団)ヒズボラは失望し、ハマスは彼らの戦略が全て無駄に終わり、打ちひしがれるだろう。ウラジーミル・プーチンは、ガザで消費されるはずだった兵器弾薬がウクライナで使えることになり、打ち砕かれるだろう。ヨルダン川西岸地区で入植地の拡大を目指しているイスラエル人は立腹するかもしれない。
しかし、イスラエルの兵士たちの親や人質たちは胸を撫で下ろすだろう。ガザで砲火を浴びていたパレスチナ人たちも胸を撫で下ろすだろう。さらに、世界のイスラエルの友人や同盟国は、先ずジョー・バイデンから胸を撫で下ろすことだろう」

しかし、イスラエルのネタニヤフ首相は、こうした助言には聞く耳を持たないようだ。