ところで実弾射撃について試しに分析してみた。「艦砲射撃の歴史」からの引用

昭和11年の戦艦扶桑による乙種主砲射撃の経過 砲術長 猪口敏平中佐
 扶桑と長門の2艦集中射撃 飛行機観測 交互打ち方 同航戦 平均射距離29,500メートル 命中率14.5パーセント

時刻 照尺距離 変距 実距離  実変距 
00:00 30600  -02  30600  -0.37  ;号令”打ち方始め”
00:15 30584  -02  30597  -0.37  ;初弾発射 (試射)

01:20 30517  -02  30584  -0.37  ;弾着(5弾)(弾着中心は約30500m、遠近散布界約200m〜300m) 観測機報告”近二”
01:30 30807  -03  30582  -0.37  ;”高め三、急げ”(距離+300m修正 本射開始)
01:35 30799  -03  30581  -0.37  ;斉射1

02:00 30661  -00  30577  -0.37  ;”下げ一”(距離-100m)
02:10 30661  -00  30575  -0.37  ;斉射2
02:30 30661  -00  30571  -2.80  ;標的変針を開始
02:35 30661  -00  30564  -2.80  ;斉射3
02:50 30661  -00  30542  -2.80  ;弾着(5弾) (弾着中心は約30900m)

03:00 30461  -11  30528  -2.80  ;斉射4 ”下げ二”(経過図に未記入)
03:10 30404  -11  30513  -2.80  ;弾着(5弾) (弾着中心は約30650m) 観測機報告”遠二”
03:15 30376  -11  30506  -2.80  ;
03:20 30447  -10  30499  -2.80  ;”高め一”(+100m)
03:30 30396  -10  30484  -2.80  ;斉射5
03:40 30344  -10  30470       ;標的変針  弾着(6弾)(弾着中心は約30650m) 観測機報告”遠三”
03:50 30088  -11  30463       ;”下げ二”

04:00 30031  -11  30426  -13.8  ;斉射6
04:10 30074  -11  30354  -13.8  ;弾着(6弾)(弾着中心は約30350m) (夾叉)
以下略

照尺距離は、戦艦扶桑側が計測した標的までの距離。変距は測的によって得られた標的との接近速度で、「-1」なら相対速度は1ノット(分速30.88m)