女性記者、「報道」と書かれた防弾チョッキ着用していたが…頭部に銃撃受け死亡

【エルサレム=工藤彩香、ニューヨーク=寺口亮一】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のジェニンで11日、イスラエル軍とパレスチナ人の衝突を取材していた中東の衛星テレビ局アル・ジャジーラの女性記者が何者かに銃撃され、死亡した。イスラエルとパレスチナは、ともに相手側に責任があると主張し、非難の応酬に発展している。

 アル・ジャジーラによると、死亡したのはパレスチナ系米国人のシリーン・アブアクレさん(51)。イスラエルで相次ぐパレスチナ人による襲撃事件を受け、イスラエル軍が実施した一斉逮捕作戦を取材中、頭部に銃撃を受けた。アブアクレさんは「報道」と書かれた防弾チョッキを着用していた。同社の別のパレスチナ人記者も背を撃たれ負傷した。

 パレスチナ自治政府のマハムード・アッバス議長は11日、声明で記者殺害を「イスラエル政府による凶悪犯罪」と非難した。一方、イスラエルのナフタリ・ベネット首相は同日の声明で「武装したパレスチナ人による発砲が原因の可能性が高い」と主張した。