安保理、「戦闘休止履行を」…女性機関「ガザの母親らは子供を抱いて眠っている間に死ねるようにと祈っている」

 【ニューヨーク=金子靖志】国連安全保障理事会は22日、イスラエルとイスラム主義組織ハマスの交戦が続くパレスチナ自治区ガザ情勢に関する緊急会合を開いた。各国はイスラエルとハマスによる4日間の人道的な戦闘休止と人質解放などの合意を歓迎し、双方に合意の履行を求めた。イスラエルのギラド・エルダン国連大使は休止後に戦闘を再開する意向を表明した。

会合で、米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は、戦闘休止について「完全に実施されなければならない」と強調し、「この紛争で既に多くの人が消すことのできない心の傷を負った。厳しい状況のただ中にあるが、イスラエルとパレスチナの和平に向け、我々は努力しなければならない」と述べた。

 パレスチナのリヤド・マンスール国連大使は「休止によって、何百人もの子供たちが救われる。だからこそ、(戦闘)再開を回避する道を確保していくことが大事だ」と訴えた。

 情勢について報告した国連女性機関のシマ・バフース事務局長は、戦闘休止を歓迎し「ガザで殺害された約1万4000人の67%が女性と子供だ。ガザの母親らは平和が訪れないのであれば、子供を抱いて眠っている間に早く死ねるようにと祈っている。こうした状況に至ってしまったことを、我々は恥じるべきだ」と訴えた。

 イスラエルのエルダン国連大使は、「(戦闘)休止が終わり次第、我々はハマスの脅威を消し去るために(軍事)活動を続ける」と強調した。

 バフース氏の発言について「イスラエルの被害が無視されている」と反発し、「国連女性機関は恥を知れ」と名指しで非難した。議長を務めた中国の張軍国連大使は「会合では最低限の敬意を払うべきだ。これは誰もが守るべきルールだ」とエルダン氏に注意した