人工島で進めていた巨大プロジェクトが破綻して廃墟に…… (フライデー 11/20)

「南国の理想郷」

かつてそう呼ばれた60棟におよぶタワーマンション群が、マレーシア南部ジョホール州の沖合にある。
心地よい海風の吹く橋の先にある、人工島に作られた『フォレストシティー』だ。だが、その「夢の島」では人影をほとんど見ない。

「『フォレストシティー』は、中国の習近平国家主席が’13年9月にシルクロードを現代に再現すると提唱した『一帯一路』構想の目玉として、
2014年前半から進められている巨大プロジェクトです
。4つの人工島に1棟30階前後のタワマン群を建て、20万超の部屋に約70万人が住むという壮大な計画。
中国のナンバー1不動産会社『碧桂園(へきけいえん)』が手掛け、総投資額は1000億ドル(約15兆円)にのぼるといわれます」(全国紙現地駐在記者)

中国の威信をかけたプロジェクトにもかかわらず、現在の入居者は予定の70分の1の1万人にも満たないという。
事業は遅々として進まず、いまだ未完成。 敷地は雑草が伸び放題で、完全にゴーストタウン化しているのだ。
いったい何があったのだろうか。 中国情勢に詳しいジャーナリストの高口康太氏が解説する。

「『一帯一路』の目的の一つが、国内で過剰となった不動産投資を外国で行うことです。
しかし国外へ進出しても、交通の便が良い好条件の土地はすでに開発されている。
『フォレストシティー』のように、車でしか行けないような不便な沖合などに作らざるをえません。

自国では都合良く変えられる環境アセスメントも、当該国の基準に合わせなければならず思うように事業が進まない。
『新鮮な空気と海の都市』を謳(うた)っていますが、人気が出ないのも当然でしょう」

『フォレストシティー』の平均販売価格は、約16万5000ドル(約2500万円)。
1世帯あたりの年間所得が1万6500ドルほど(約250万円)のマレーシアの人々には、簡単には手が出ない物件だろう。
2018年に同国のマハティール首相(当時)が「中国人のために作られた街だ」と批判している。(後略)
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開発元の碧桂園が絶賛大爆死なのだからここも丸ごと廃墟化確定だな。