イスラエル、ハマスの地下トンネル網に海水注入を検討
2023 年 12 月 5 日 07:54 JST

【ワシントン】イスラム組織ハマスがガザ地区に設けたトンネル網を巡り、
イスラエル政府が海水を注入できる大型ポンプのシステムを組み立てたことが分かった。
米政府当局者らが明らかにした。海水注入でトンネルを破壊し戦闘員らを
地下から追い出すことができる一方で、ガザの給水システムに影響が及ぶ可能性もある。

 イスラエル国防軍は先月半ば、アルシャティ難民キャンプから北へ約1.6キロの位置に
大型の海水ポンプを組み立て終えた。ポンプは少なくとも五つあり、
一つごとに地中海から毎時数千立方メートルの海水をトンネルへ流し込むことが
できるため、トンネル網は数週間以内に浸水することになる。

 当局者らによれば、イスラエル政府は11月初めにこの選択肢を初めて米国側に伝えた。
これを受けてその実現可能性や環境への影響と、
トンネルを無力化する軍事的な価値を比較する議論が生じたという。

 米政府高官はイスラエル政府がこの計画の実行にどれだけ近づいているかは
把握していないと述べた。当局者らはイスラエルがこの計画を進めるか
最終決定を下していない一方で、計画を否定しているわけでもないとした。

 一部の米政府当局者らは作戦に関して内々では懸念を示す一方、
中にはトンネルの無力化を支持し、米政府内には必ずしも計画に反対する声はないと
話す当局者もいる。イスラエルはこれまでに約800本のトンネルを確認しているが、
トンネル網はそれを上回る規模だと認めている。

https://jp.wsj.com/articles/israel-weighs-plan-to-flood-gaza-tunnels-with-seawater-3eb57cc3