ロシアに勝たせてはならないが…



 パンも銃も西側頼みの戦争には、そもそも限界がある。

 ロシアに勝たせてはならない、という西側の正義を否定するつもりはさらさらないが、半面、勝てる見込みのない戦争を、いつまでも続けさせてよいわけがない。ウクライナの地で暮らし、ドンバスで戦うのは、米国人でも、英国人でも、欧州連合(EU)の人々でもない。ウクライナの男たちと女たちなのだから。

そのウクライナの経済は崩壊し、国土の20%は廃墟と化している。そしてこの先、西側による支援はこれまで通りには続かないだろうし、その兆候はすでに現れている。

 先日、キーウで暮らす友人は、メールでこう伝えてきた。

 「私たちは戦争を続けたいわけではありません。ロシアの影響から逃れたいだけなのです」

 ゼレンスキー大統領は、戦時のリーダーとしていっとき英雄視されはした。けれども、二度目の冬を迎えたいま、国民のこの願いにどう応えることができるのか。領土を取り返すための戦いだけが、政治のすべてではないはずだ。

 ドンバスからの砲声は止まない。

 プーチン氏は攻撃の手を緩めずに、ウクライナの「自壊」をじっと待つ。