なぜドイツ人にできることが日本人にできないのか
https://www.rieti.go.jp/jp/special/special_report/198.html

国際通貨基金(IMF)が2023年10月に発表した各国の名目GDP予測では、
日本はドイツに追い抜かれるらしい。

かつて日本は米国に次ぐ世界第二位の経済大国だったが、2010年に中国に抜かれ、2023年ドイツに抜かれ、第四位になる。



日本の労働生産性は、ポーランドや東欧・バルト海とほぼ同水準まで落ちている。
ドイツは、さまざまな面で日本の2/3のサイズしかない。
人口、企業数、年間労働時間は2/3である、
しかも合計特殊出生率は1980年頃から約10年前まで1.2~1.4であった(2021年は1.58)。

そのドイツが日本を追い抜くには、1人あたり日本人の1.5倍を稼がないといけない。
確かに1時間あたり賃金は日本の約1.5倍であり先進国中最高である。
キリスト教文化圏なので日曜日は全ての商店が閉店するなど全経済活動を休止し、
残業をしないでさっさと帰る国民がなぜこれほどの高いパフォーマンスを発揮するのか、
逆に言えば休日も商店を開け、残業続きの日本人がなぜドイツ人の2/3しか稼がないのか。



日本とドイツのマクロパフォーマンスを比較すると、最も大きな違いは「輸出」である。
約10年前まで日本並みまたは日本よりさらに合計特殊出生率が低かったドイツで、
これほど高い経済パフォーマンスを発揮する原動力は、製造業の輸出が主要因であると言ってよい。