中国が軍事力を飛躍的に向上させた真の理由
ロシアも真っ青、超高給でウクライナ人技術者を大量採用
JBプレス 2018.4.26(木)小泉 悠

 さらに問題なのが、非合法の技術移転である。
 2005年に明らかになったところでは、ウクライナの武器ブローカーが長距離空中発射巡航ミサイル「Kh-55」を中国に6発、密輸していたとされる。
 ミサイルはいずれも使用可能な状態になかったとされるが、射程300キロ以上のミサイルの移転を禁じたMTCR(ミサイル技術管理レジーム)に対する明確な違反である(中国はMTCR加盟国ではないが、ウクライナは1998年から加盟国)。
 また、最近では、中国が開発している「DF-41」大型ICBM(大陸間弾道ミサイル)の鉄道移動バージョンにもウクライナの技術が使われているのではないかという懸念が米国の専門家から寄せられるようになった。
 ウクライナはソ連でも有数の大型液体燃料ミサイルの開発メーカーであったユージュノエ設計局(旧ヤンゲリ設計局)を受け継いでおり、その技術遺産には鉄道移動式ICBMが含まれている。