「要塞化」進むウクライナ 反攻作戦の遅れを受け、防衛強化にシフト
https://news.yahoo.co.jp/articles/edf7b6c926130fcc432e111edd93c3569ea1e921
ロイターが12月28日に取材したところ、ここ数カ月で北東部の防衛線建設が強化されていることがわかった。ロシアに対する軍事作戦を、より防御的なものへとシフトさせる一環だ。軍事アナリストによれば、ロシアが戦場の主導権を握る中、ウクライナが攻撃を切り抜けつつ戦力を回復させるためだという。

ロイターはリンクスと名乗るウクライナ陸軍の工兵に話を聞いた。

「部隊が移動している間は要塞化の必要はない。だが部隊が止まったら、すぐに(塹壕を)掘る必要がある。これで我々の安全が保たれる」

この防御線は、ロシア占領下の南部や東部で展開されているものと類似点がある。ウクライナ軍は、自国領に危険な弾薬を残さないよう、要塞化に使う地雷を最小限にしようとしている。

英国王立防衛安全保障研究所のジャック・ワトリング氏は、より強固な要塞はロシア軍の動きを鈍らせるとともに、ウクライナ軍にとってはより少ない兵力で防衛し、兵士たちをより多くの訓練にあてられる可能性があると指摘する。またウクライナが再び攻勢に転じた際に、側面を守るために使われる可能性もある。

ウクライナ統合軍のナエフ司令官によると、軍はここ数カ月で北部の防衛要塞を63%拡張したという。

ゼレンスキー大統領は、ロシアやベラルーシとの国境周辺から西部の同盟国ポーランドに至る全域で、ウクライナの防御施設を増強する必要があると述べた。