首相初訪問、冷ややかな視線も 
能登避難者「励まし足りない」
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岸田文雄首相が能登半島地震後、初めて被災地を訪れた。
雪が積もる避難所で厳しい暮らしを強いられる避難者は、仮設住宅の建設や生活支援を要望し、首相は膝詰めで耳を傾けた。
発生から14日目の駆け足の訪問には「今更来たのか」「励ましが足りない」と冷ややかな視線も向けられた。

首相は約550人が滞在する輪島市立輪島中を視察。
避難生活で体調を崩している梶幸子さん(74)に声をかけ「心を強く持って」と握手した。
ただ梶さんは取材に「もう少し、早く来てほしかった」とこぼした。

地震発生の1日から身を寄せる井上美紀さん(75)は「首相の地震対応は遅い」と手厳しい。
一部の教室などを回って30分間程度で切り上げた背中を見つめ
「体育館で皆を大声で励ましたりしてくれれば、心持ちも違うのに」と不満がった。

50代の男性は「魔法使いでもない限り、誰が来ても変わらない」と表情は暗いまま。
高齢化に触れ「若者は少なく、自分たちで頑張るしかないが限界もある。
行き詰まった時、政府に背中を押してほしい」と憔悴した様子でつぶやいた。