プーチン氏、「ウクライナ軍が撃墜」と輸送機墜落に初言及 「同士討ちありえない」

ウクライナ軍捕虜を移送中だったとされるロシアの軍用輸送機IL76が墜落した問題で、プーチン露大統領は26日、「故意か過失かは分からないが、彼らがそれをやったことは明らかだ」とし、ウクライナ軍が防空ミサイルでIL76を撃墜したとの認識を示した。露軍の防空ミサイルには友軍機への誤射を防ぐ機能が備わっているとし、露軍による「同士討ち」はありえないとも主張した。

露北西部サンクトペテルブルクで行われた国内行事での発言。IL76が墜落した理由は特定されておらず、露軍の同士討ちが起きた可能性もあるとするウクライナ側の主張に反論した形だ。プーチン氏が墜落に公の場で言及したのは初めて。

一方、露捜査当局は26日、ウクライナ軍捕虜が墜落したIL76に乗り込む際の様子を撮影したとする動画を公開した。ただ、動画は遠方から撮影されている上、撮影日時や場所も明らかになっておらず、真偽は不明。

墜落は24日、露西部ベルゴロド州で発生。露国防省は、同日予定された捕虜交換のためIL76がウクライナ軍捕虜65人を移送中だったが、ウクライナ軍のミサイル攻撃で墜落し、搭乗していた乗員や捕虜ら計74人全員が死亡したと主張した。

ウクライナ側は、捕虜が実際に搭乗していたかや、ウクライナ軍が攻撃したかどうかは確認できていないとしている。