24/1/30 小泉悠兵頭慎治

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・今年の戦況はどちらも突破口を開く見込みがない見通し
・相対的にロシア側が有利な見立てはあるが、戦況図が大きく塗り替わるかは見通せない
・ウクライナは来年以降へ戦力を温存し立て直しながら攻勢準備が求められる
・ロシアの大攻勢は今年の夏頃と見立てがあるが、米国大統領選挙のタイミングが絡む
・プーチンは米国の政治状況を見極めるとするなら、無理に軍事的に押し進めるかは疑問
・となれば、今年ロシア側が大攻勢をかける動機があるのか
・結局今年も軍事的な広い意味での膠着状態が続いていく
・前提としてロシア軍がプーチン再選後の春から夏にかけて大攻勢する準備ができているのかどうか
・ロシアから見れば純軍事的にはドネツクの残りを取りに行く、勢いがあればハルキウまで狙う
・こうしたこの戦争の趨勢を抜本的に変えるような大攻勢に今年出るのかどうか注目
・多くの軍事専門家はそこまでの大攻勢は厳しいのではとの見通し
・となればウクライナからどのラインで持ちこたえられるのかどうか問題
・ウクライナは持ちこたえるだけではダメ
・いくつかの街は放棄せざるを得ないが、後方では2025年の攻勢への予備戦力を作る必要がある
・支援が減りつつある中で非常に厳しいが、兵力よりも「もの」が問題
・米国からの軍事援助は昨年12月で完全に止まってるそちらが痛い
・おそらく今年2024年はロシア軍の攻勢はしのげると関係者は見てる
・しかし反転攻勢の戦力が整わなければジリ貧になっていくだけ
・2024年を凌げても、2025年はもうわからない
・昨年来、プーチンは再選後に勝負をかける大動員と言う話はあった、一気にウクライナを押し込む話
・再選後の3月以降のプーチンは国内的にはフリーハンド
・よって大動員も十分可能だが、この先任期6年を考えると、時間の経過は更に有利
・東部の制圧は継続するだろうが、慌てて追加の大動員総動員ほどの攻勢は、ベストタイミングが必要
・トランプ政権誕生も考えると、プーチンにとって秋以降さらに追い風が吹く可能性
・プーチンは国際政治とのタイミングで計算して、ベストタイミングで大攻勢を考える