アウジーイウカが陥落の瀬戸際に ウクライナ東部要衝、ロシア軍が突破口

2月4日、ロシア軍部隊は曇り空の下をすばやく進撃し、ウクライナ東部アウジーイウカ市内に侵入した。

ロシア軍の2個野戦軍が、すでにロシアの支配下にあるドネツク市のすぐ北西に位置し、ウクライナ軍の要衝であるアウジーイウカの攻略に向けた攻撃を開始してから4カ月。兵力約4万、車両数千両を投入し、おびただしい血を流してきた作戦は、最終局面を迎えつつある可能性がある。

「市の状況は危機的になっている」。ウクライナのジャーナリスト、アンドリー・ツァプリエンコはそう報告している。

作戦が実際に最終局面にあり、ロシアが勝利することになれば、その責任が主に誰にあるのかは明らかだ。米議会のロシア寄りの共和党議員たちである。彼らは昨秋以来、米国によるウクライナへの援助を妨害し、その結果、ウクライナ軍がロシア軍の火力に対抗するために必要としている弾薬を枯渇させた。

ウクライナの戦場記者ユーリー・ブトゥソウは4日「アウジーイウカは新たな予備と交代部隊を緊急に必要としている」と伝えている。「弾薬も必要だ。補給も極度に少なく、敵(ロシア側)が大きく優位な状態にある」

アウジーイウカ守備隊は、ロシア軍と親ロシア派勢力がウクライナ東部に侵攻した2014年以来、10年にわたって持ちこたえてきた。ロシアがウクライナでの戦争を拡大した2022年2月以来、2年近くはウクライナ軍の第110独立機械化旅団が市の防衛の主力を担ってきた。

アウジーイウカ占領がロシアの主要な目標の1つだということが明らかになったあと、ウクライナ軍東部司令部はこの方面の防衛の増強をしなかったわけではない。増強はしていた。

アウジーイウカの北面には、近接する集落ステポベを防衛するため、米国製M2ブラッドレー歩兵戦闘車などを運用する精鋭の第47独立機械化旅団が配置された。南面には第53独立機械化旅団が増援に到着した。