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原油価格上昇で薄れる対ロ制裁効果で先進国に危機感:中東情勢悪化もロシアを利することに

制裁措置の効果で、米財務省は今年前半のロシア政府の原油収入が、前年比で50%近く減少したと説明している。またロシア中央銀行は、1─9月の石油・ガス収入は前年同期比34.5%減少し、1−9月の経常黒字が前年同期比79.1%減の409億ドルになったと発表した。
しかし、夏場以降の原油価格上昇によって、ロシアの石油輸出額、政府の原油収入は再び持ち直している。そのため、制裁効果が薄れているのである。ロシア中央銀行は、石油輸出額は緩やかに持ち直しているとして、2023年の経常黒字見通しを260億ドルから450億ドルへと引き上げた。
ロシア財務省が発表したロシア産ウラル原油価格は、6月に1バレル55.3ドル、7月に64.4ドルであったが、9月には平均で83.8ドルまで上昇している。

https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2023/fis/kiuchi/1016