「マルクス・レーニン主義」とは、後発資本主義国の近代化(資本の本源的蓄積+初期産業革命)を強力に推進するための体制である国家資本主義の正当化イデオロギーです。

その実践的特徴は、党組織と革命戦略の極端な軍事化(しかも兵営主義的な位階的組織編制と民主集中制という名の官僚独裁)、建前としての画一的平等主義と実態としての大衆蔑視のエリート主義、経済運営における指令経済の絶対化、国家主義、事実上のプロレタリア国際主義の放棄(民族主義化)、「大国」による覇権主義などです。

その理論的特徴は、「生産関係の基礎としての所有」論です。これは生産手段の所有関係が生産関係を決定するというもので、所有関係の方が、生産関係からその内容を受け取っていると考えたマルクスの理解とは正反対のものです。

レーニンは、国家資本主義への転換を公然と認めて、労働者、農民主導の「民主的な「国家資本主義」の構築へ向かおうとしていたと思います。これに対してスターリンは、自分たちの特権的地位を固定化し強化するために「社会主義国家」をでっち上げ、マルクス理論をその体制の正当化の手段に改竄する道を選んだものと、僕はみています。