つづき

だがゼレンスキー大統領は挑戦的な態度を崩さなかった。
「勝利が待っていると確信している」。同大統領は今週キーウで、外交官らに対し感情に訴える演説を行った。「特に、皆の団結と支援のおかげだ」
双方で数万人の兵士が死亡、数万人が負傷し、数千人のウクライナ市民が命を落とした。ロシア政府は民間人への攻撃を否定し、軍事的・戦略的な標的だけを狙っていると主張している。
<高騰する軍事コスト>
ウクライナの被害は甚大だ。
最近の世界銀行の調査によると、同国の経済再建には10年間で4860億ドルの費用がかかる見込み。200万戸の住宅が完全に破壊もしくは一部損壊し、600万人近くが海外に避難している。 もっと見る
戦争を継続するための資金と武器の調達に加え、ゼレンスキー氏は最大50万人以上の追加動員を可能にする法案を議会に提出しようとしている。これが実現すれば、経済がまひ状態に陥ると懸念するエコノミストもいる。
一方でロシアの財政は、経済制裁下でも底堅いことが示された。天然ガスの輸出は低迷しているものの、原油輸出はインドと中国の買い支えによって持ちこたえている。
2023年の国内総生産(GDP)は前年比3.6%増加したが、国内エコノミストの中には国防費の急増によるものであり、停滞や景気後退が迫っていると警告する向きもある。 もっと見る
3月の大統領選挙では、プーチン氏の勝利は揺るがないとの見方が多い。同氏の政治的パフォーマンスや、「特別軍事作戦」と呼ぶウクライナ侵攻への幅広い支持の中で、地滑り的勝利が見込まれている。