北アメリカでもM3は長砲身型の四号に一方的にボコられている 既にM4を製造し始めている訳だから一々M3の改良なんてしないよ
米陸軍の場合は兵器局が装備計画を立ててから米国で製造して梱包しUボートの妨害をかわしながら遠く大西洋を渡らせて漸く部隊に渡されるから、前線で性能不足だと明らかになってもフィードバックするのに何ヶ月もかかるので対応が間に合わない 独ソの様に撃破された戦車を回収して修理工場に戻ってきたら魔改装して戦力アップなんて迅速な反応が出来ないんだよ
特にアメリカ戦車装備の決定権限を持っていたAGFのレスリー・マクネアー中将は若干の性能向上の為に種類を増やすよりも規格化された戦車を自動車メーカーを動員して大量に製造する事が勝利につながるとの信念を持っていて現場からの改造要求に対して徹底的に保守的だった これは短期間に膨大なM4を生産して枢軸陣営を圧倒出来た核心の政策なので功罪では功が勝ったと評価されている
これらの経緯があり43年の半ばには六号と対戦してその驚異的な性能を知っていたのに既に44年前半までの生産と輸送計画が定まっていた事から対戦車戦向けの76mm砲搭載型の導入が遅れてしまってノルマンディー上陸当初も殆どが75mm砲装備型だった