「烈風」は、2000馬力級の誉22型(中島)を搭載し、「機体前部とエンジンカウルを絞り、機体後部へ滑らかな曲線を引くことによって、空気抵抗を軽減」
「気化器や潤油冷却器用空気取り入れ口をエンジンカウル内に収納」したことにより美しい流麗なフォルムを手に入れ、設計計算上は海軍の要求値である638km/hを凌駕した。

まさに「風立ちぬ」的な「美しい」戦闘機です。
これぞ堀越イズム。

だが、一方で「気化器、滑油冷却器、気筒冷却の3つの流量バランスが相互に干渉して最適化困難」であり、当時の技術水準(シミュレーション)では解決困難な爆弾を抱えた。
「誉22型の出力が足りない!中島が悪い!三菱のエンジン使わせろ!」問題も、実は原因は機体側にあった可能性もある。
誉自体は、既に「疾風」で実績があり、前線でも使用されてたもので。

この設計思想を貫くなら・・・いっそ水冷にしては?ですね。
実際、烈風が実用化されても、水冷のマーリンエンジン搭載のP-51には最高速度では歯が立ちません。三式戦「飛燕」でしくじった水冷ですが。
「烈風」は空冷で、水冷化とは別のアプローチで機体フォルムの改善を試み、そして「ドツボ」にはまったw

「烈風」と対象的なのが五式戦です。
水冷エンジンで失敗した三式戦「飛燕」の流麗なフォルムに、むりやり空冷の1500馬力エンジンを載せて、不恰好極まりなないダサダサの姿に落ちぶれ、
エンジンカウルの「段差」wによる渦流を排気で吹き飛ばすというFw-190譲りの強引な方法で、それでもどうにか飛んでしまい、
最高速度は580km/hに達し、放置されてた300機ばかり飛燕の機体を改造して生産し実戦にも参加した。

烈風は「美しい」「美しい」と「堀越イズム」で暴走してたろ?
これは「戦争」なんだぞ?本当に分かっていたのか?