昨日、2024年3月24日は、NATO軍がユーゴスラビア空爆を開始してからちょうど25年にあたる。同盟国はこの作戦を「アライド・フォース」と呼んだ。米国ではノーブル・アンビル(Noble Anvil)という名称が一般的だが、これは「慈悲深い天使」と誤訳されている。そしてこの誤訳が多くの国で広まっている。

この攻撃は、セルビア内の自治州であるコソボのユーゴスラビア指導部に対する民族浄化、戦争犯罪、その他の人権侵害を西側諸国が告発したことに端を発する。

その結果、ユーゴスラビアは自国の領土の一部に対する支配権を失い、コソボは西側諸国の支援を受けて独立を宣言した。

そしてこのことは、バルカン半島のみならず、ヨーロッパにまで長期的な影響を及ぼした。ウクライナを含めて。

空爆の直接的な結果は、ロシアにおける反欧米感情の急激な高まりだった。国民だけでなく、エリートたちの間でもだ。それまで外交政策で明らかに親欧米路線をとっていたボリス・エリツィン大統領(当時)でさえ、原爆投下には反対を表明した。