日露戦争の直前、皇后(後の昭憲皇太后)の夢枕に一人の武士が現れ、来る戦争では海戦については心配無用、
私が日本を勝たせる、という意味のことを言って去って行った。
皇后はその武士が誰であるか心当たりがなかったので、宮内大臣の田中光顕(土佐出身)に尋ねたところ、
田中は「それは坂本竜馬に違いない」と断言、このことが新聞に報じられると、それまでほとんど無名だった竜馬は、
広く国民に知られるようになった。

……という話が広まっているのだが、坂本竜馬はそれ以前から教科書に掲載されていて、知る人ぞ知る、
というほどマイナーな存在ではなかったのよな。朝廷からは位階も授けられていたし。
皇后がそれまで竜馬を知らなかった、というのは、後世に小説家が作ったエピソードらしい。