「国政術(ステート・クラフト)として知られる政策の中で、
なぜ「慎重さ(プルーデンス)」が最高度の価値を持つべきものなのだろうか?
そこにはいくつかの素晴らしい理由がある。

「慎重さ」とは、「政策によって生じる可能性に対する特別な用心」という意味になるのだが
これは意思決定者たちが従う支配的原則でなければならない。
ところが、政策づくりというのは、科学ではなくアート(術)であり、
しかも欠陥をかかえた人間によって決定され、実行され、
さらにはその行動の結果は見えないことが多いため、「愚かな行為」と悪運は、
「慎重さ」と同じようにわれわれの歴史のなかで少なくともかなり重要な地位を占めることになる。」

(コリン・グレイ「戦略の未来」)

コリン・グレイ(マスター・オブ・ストラテジー)の言いたかったことが、
ようやく、ようやく自分にも理解できたような気がします。
実に、実に「ほろ苦い最近の経験」によるものですが。

「愚者は経験を重視し、賢者は歴史に学ぶ」w