敵前上陸「地上の地獄だった」 対ロシア渡河作戦、兵士ら証言

 ロシア軍が待ち受けるドニエプル川の対岸に、小型艇で少数の歩兵を送り込み橋頭堡を築き、猛攻に耐えながら維持する―。
兵士らは「地上の地獄だった」と口をそろえた。

 ウクライナ軍兵士6人が19日までに共同通信の取材に凄惨な実態を証言した。
ウクライナは奪還地域を拡大できず作戦の成果は乏しい。

 証言によると、ウクライナ軍は通常、深夜から未明に北岸から小型艇を出発させ、一隻当たり4、5人の歩兵を南岸に輸送する。
小型艇はドローンが投下する爆弾や砲撃を蛇行して避け、全速力で対岸を目指す。

 遮蔽物がない川面は無防備だ。小型艇操縦士トレット(28)は「殺される恐れが最も高い場面の一つだ」と話す。
同僚の操縦士は命を失い、自らも約50メートル先の水面に爆弾が落ちた経験がある。