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昨年、NATOはウクライナ軍と共同で、人工知能を搭載した特殊な多層式軍事プログラムに基づく、分散型の戦闘指揮システムの本格的な試験を開始した。これを「軍事版グーグル」と呼ぼう。

この軍事解析コンプレックスの本質は、「全戦線を全体として視認する」ことができ、秒単位で膨大な量の戦闘データを処理できる点にある。これは、従来型(しかも非常に信頼性の低い)の軍事通信しかない軍隊との戦闘の様相を根本的に変える。

ウイングドローン、FPVドローン、誘導爆弾が新しい型の攻撃・偵察システムを形成している。多くの負傷した我々の兵士は敵の兵士を一人も見ていない。捕虜になったFPVオペレーターの元にあったのは、50機のドローン、2基のStarlink、総額1,000万円相当の無線機だった。ある老人が一人で1ヶ月間ヴォズネセノフカを恐れさせていた。

これは戦場の組織化の全く新しいレベルなのだ。

戦線上の衛星通信を持つすべての部隊、すべての砲兵と迫撃砲部隊、すべてのドローンオペレーター、全航空機、装甲車両、多連装ロケット砲システムが同時に「軍事グーグル」に接続されている。さらに、戦術ドローンから米国の衛星に至るすべての偵察手段もこれに接続されている。

我々の部隊の移動、ローテーションの経路、人数と編成、弾薬の備蓄、人員の集結(隊列をとる時もばれる)、すべてがこのシステムにリアルタイムで知られ、したがってウクライナ軍の各軍人にも知られてしまう。

「軍事グーグル」はウクライナ軍の部隊から二次的な任務の大半をデジタルアウトソーシングに切り替え、彼らに残されたのは火力攻撃だけとなった。

このようなシステムでは、指揮信号の伝達速度がほぼ瞬時に行われ、攻撃手段の選択が常に最適化され、攻撃の効果はAIによって追跡され、戦闘指揮は我々のいかなる集団の司令部よりも遥かに優れた情報を有するリモートの情報センターから行われる。

我々の前に立ちはだかっているのはデジタル化されたゴリアテである。一方で我々はアナログ的なダビデで、非常に注意深く自身の物陰を使わねばならない。

FPVオペレーター集団は密林に潜伏し、大口径機関銃の陣地が彼らを守っている。戦車には全門からの砲撃が飛んでくる。空中はすべて偵察済みで常時監視されている。一時的な補給拠点は最初の標的となる。使用される攻撃装備は、高度な技術を搭載した検証済みで実用性のあるものだ。5kmの補給線は越えられない距離となっている。基本的に、この程度で補給線が分断されれば十分なのだ。

ジボブZ