ニジェールのウランの資源量は世界全体の5%近くを占めており、世界7位である。ウランの生産量も世界全体の5%近くであり、世界6位である。北部に位置するアーリット市周辺にウラン鉱山が複数存在し、そこで採掘が行われている。ニジェールからの輸出の内の約70%をウランが占めているのだが、それは国内総生産(GDP)の約5%しか占めていない。その主要な理由のひとつは、ニジェールで採れるウランを輸出して得た利益の多くがニジェールには残らず、フランスに流れていることだと考えられる。
詳細は公表されていないが、2014年までのロイヤルティ率は5.5%程度とされていた。つまり、アレバ社がウラン採掘によって得た利益の内ニジェール政府は約5.5%、アレバ社は約94.5%を得るということである。また、アレバ社の子会社であるソマイア社とコミナック社には税金の大幅な免除という税制優遇も為されており、ニジェール政府に納めていた税金が低く抑えられてきた。不当に低い金額のウランがアレバ社に流入していたという腐敗問題も問題視されている。
このような内容の取引が行われている結果、2020年においてニジェール政府のウランを含む鉱山収入が約5,000万米ドル程度であったのに対し、ウラン輸出の価値の合計がその5倍の2.5億米ドルであった。つまり、利益配分が設定し直されてからも、利益の大半は国外に流れているのが現状である。