イギリスのエンジン開発が遅れたのは純粋な技術開発の遅れだけでなく
FCAS(テンペスト)の開発スタイルに起因する要素もある

FCAS(テンペスト)は国際共同開発を前提にするので、参加国によって開発する機体規模やコンセプトが大きく変わる
例えば、英仏独で開発すれば、当然の事のようにラファールMの後継機にもなるので艦載機ベースになる
実際のテンペストの用に英伊瑞の組合せなら、スウェーデンは大型双発機は希望しないので、出来るだけ小型の機体が求められる
欧州中小国の要望を入れれば単発機になる可能性だってなくはない
中等のサウジなどはF-15の運用経験や地政学的な要求で大型機を欲しがるかもしれない
組合せによって必要になる機体規模もコンセプトが違うので、必用なエンジン推力がどの程度かを決められない問題を抱えていた
参加メンバーの要望が出揃ったとこでエンジン開発を始めないと不都合な面があったから
だから、とりあえず実証エンジンを開発してからという開発スタイルになりがち

それに対して日本の次期戦闘機は空自の要求性能を満たすだけなので、必用なエンジン推力は決まっており
それに応じて早期にプロトタイプであるXF9-1を開発するということが出来た
空自が求めた機体が比較的大型で、搭載能力・航続性能が大きな余裕がある機体だったので
イギリスのイタリアの要求性能は問題無く小改修程度で満たせる要求性能だった

FCAS(テンペスト)は出資を多く募る開発スタイルの為に、要求性能が簡単に決まらない
その為に必用なエンジン推力を決定できないという問題を抱えていた
それでいて2030年代中頃に実用化という目標を掲げていたので、エンジン開発が致命的なレベルで遅れてしまった