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<前略>
この地域の主要産業は石炭採掘だ。。

しかし、中国は大気汚染問題の解決のために、脱石炭を進めている。そこに追い打ちをけたのが、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議だった。北朝鮮の鉱物資源の輸出が禁じられ、販路を失った石炭は、採掘が低調になっていった。
球場の住民の収入は減り、生活苦に陥った。そんな時に彼らを救ったのは「ドングリ」だった。山でドングリを拾い、それで酒を作って売るのだ。



しかし、地元住民からは不満の声が上がった。重い課題(ノルマ)に苦しめられるのは目に見えているからだ。

「ドングリの旬になれば、各学校は生徒にドングリのノルマを課すのがこの地域では一般的だ。1年に30日から45日間、『ドングリ休み』で休校になるほど」(情報筋)

学校だけではない。郡内の工場、企業所、勤労団体、人民班(町内会)などすべての組織が仕事そっちのけでドングリ拾いをさせられるのだ。ただでさえ生活が苦しいのに、何の助けにもならない重労働をさせられるのだからたまったものではない。
そんな「ドングリ地獄」だが、工場ができて大量生産が始まればさらにひどいことになるだろう。
さらに住民を苦しめるのは、こんな地域の事情だ。

「普段はドングリの半分に価格で売られているトウモロコシが、ドングリが実る季節になると高騰する」(情報筋)