画期的なビルの設計をした設計士がいたが、建築学部の学生がそのビルの構造欠陥を指摘したことがあっての
その設計士は指摘に対してさんざん否定したあとで、やっぱり気になったのか自分が講師を受け持つ学生たちに課題として計算させてみた
その結果、法律上の計算では問題ないが様々な観点で計算すると欠陥がやっぱりあって、このままだとビルが倒壊するという結果が出た

悩んだ設計士は覚悟を決めてオーナーに報告し、オーナーはそれを受けビルの補強をした
設計士はその正直な行動をたたえられ、技術者の模範としておとがめなしの英雄となったという話がある

しかしだね、最初に構造欠陥を指摘した学生にはずーっと内緒にしていて、20年後くらいに「そろそろ時効だろう」って感じで自慢げにその話を公開したのだ
その話を耳にした、当時指摘した学生はびっくりぎょうてん!
やっぱり自分は正しかったんじゃないかというオチでしたとさ

この話で一番怖いのは、最大の功労者であるその学生にはなーんの報酬も栄誉もなく、設計士が総取りしている卑劣さなのに美談として語られている点だね
これを美談としてしまうのだから、アメリカの商習慣がどんなものかがわかるということだ