ウクライナ在住日本人が義兄のウクライナ人に聞いた話

「なるほどロシアが侵略してきたのは不快なことだ、戦争は悪いことだ、だがその原因はどこにあったのか、結局はマイダン非合法革命、それを支持した米欧だ、諸悪の根源はここにある、ウクライナ政権は汚職で腐りきっている、戦争は彼らのビジネスなのだ、ウクライナ指導部はわざと緩慢に戦争に敗北しようとしているとさえ思える、気の毒なのは塹壕の兵士たちだ、戦場の現状はひどいもので、戦術も何もあったものではない、竹槍突撃だ、だからこそ人が足りない、ボディが、わかるか、ボディが足りないのだ」

こんな話ばかり聞いていて、わたしは、なんだろうな、いろいろばかばかしくなってくる。安全のための情報収集と称するネット巡回、テレグラム発信とかメディア報道とかを読むのも。わたしが耳近く聞く近親者の肉声は、これら文字の言葉を圧倒的に相対化する。文字の言葉は文字の言葉で今日も威勢がよくやいのやいの言っている。もう知らんよ、どうせ俺はウクライナ人じゃねえよ、あと一日で日本に帰るのだし、もうあんたら勝手にやってなさいよ、と思えてくる。

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