アフリカでウクライナ「場外戦」 ロシアに一矢、代償も:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK097VH0Z00C24A9000000/

ウクライナがアフリカでロシアに「場外戦」を仕掛けたとの見方が広がっている。西アフリカ・マリの反政府勢力が今夏、ロシアの民間軍事会社ワグネルの戦闘員を多数殺害した。ウクライナが支援した疑いが強い。自国を侵略するロシアに一矢報いる狙いが浮かぶが、代償も大きいだろう。

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ウクライナがアフリカで局所的にロシアをたたくことに成功したとしても、既に広がる「ロシア寄り」の姿勢をひっくり返すのは難しい。逆に地元の反感を招くリスクを伴う。

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は8月初めに「西アフリカの平和と安定を脅かし、地域を地政学的衝突に引きずり込む外部の介入」を強く非難した。7月末のマリ北部の襲撃を受けた声明で、ウクライナへの名指しは避けたが不快感をあらわにした。

アフリカから見れば、域外の国が争いごとを持ち込み、緊張を高めているように映る。非合法の反政府勢力に肩入れするような手法を正当化するのは難しい。外交でウクライナへの支持を訴える正攻法の努力に水を差す恐れさえある。