焦点:戦闘員数千人失ったヒズボラ、立て直しには膨大な時間とコスト
ロイター 11/30(土) 7:52配信
(前略)
ヒズボラの動きに詳しい3人の情報提供者によれば、ヒズボラは14カ月にわたる衝突で殺害された戦闘員は数千人に及ぶとみている。
その大多数はイスラエルによる地上侵攻が開始された9月以降の犠牲者だ。
死亡者数に関するヒズボラによる推計については、これまで報道されていなかった。

ある情報提供者は、ヒズボラが最大4000人の犠牲を被った可能性があると述べた。
2006年に1カ月にわたってイスラエルと戦ったときの死亡者数の10倍を軽く上回る。
レバノン当局は今のところ、今回の衝突での犠牲者を約3800人としており、戦闘員と市民の内訳は明らかにしてない。

ヒズボラは組織の頂点から底辺に至るまで動揺している。
上層部は最高指導者ナスララ師の殺害からまだ立ち直れず、ベイルート南部郊外への無差別爆撃と国内南部の複数の村落が壊滅したことで、
膨大な数の支持者が家を失った。

27日に停戦が実現したことを受けてヒズボラが取り組むべき課題としては、組織構造の全面的な立て直しに加え、イスラエルにこれほど多くの
効果的な攻撃を許してしまったセキュリティ面の欠陥の調査、イスラエルのテクノロジー能力を過小評価したミスを含めた昨年1年間の総括などがある。
ヒズボラの考え方をよく知る別の情報提供者3人が語った。

ロイターが本記事のために12人の関係者に取材したところ、立て直しを図る中でヒズボラが直面する課題の一部が詳細に浮かび上がった。

ヒズボラ政治部門の幹部であるハッサン・ファドララ氏はロイターに対し、「人間」が最優先になるだろうと語った。

「避難所を提供し、がれきを片付け、殉教者に別れを告げる。再建は、その次の段階だ」とファドララ氏は言う。

イスラエルは主としてヒズボラの支持基盤であるシーア派ムスリムの居住地を集中的に攻撃しており、支持者に甚大な被害が出ている。
そこには、モバイル機器を利用した9月のイスラエル側の攻撃で負傷した人々を治療していた医療関係者も含まれる。(続く)