>>770の続き
(前略)
平成8年に全国で3番目の民間支援団体として設立された同センターは、設立当初から支援員の育成に注力。
17年度からは総合的な被害者支援を担う支援員の育成を目指した講座を開講してきた。

単科または全回受講を選択することができ、今回は少年院などの矯正機関を含む関係機関から200人近くが業務の一環として
単科などで受講したほか、筆者のような個人参加の17人が全回受講コースを選択。
毎回、30~40人が出席し、例年より受講者はかなり多かったという。

メディアからの参加は過去にもあったらしいが、今回は筆者1人だった。そ
んな中、ほぼすべての講義で被害者支援の筆頭格に挙げられたある項目が逐一、胸に刺さった。 「マスコミ対策」である。

・イメージは「敵」

悲嘆の極みにある被害者を取り囲んで容赦なくマイクを突き付け、そっとしておいてほしいのに勝手に名前や写真を報道すること
で糧を得ている―。
「報道被害」はこんなイメージかもしれないが、今どき「被害者を傷つけても構わない」などと考えて仕事をしているメディアなどいない。
むしろ、被害者に寄り添いたい、どうにかして役に立ちたい…
と煩悶(はんもん)の中で取り組んでいる人の方が多いのではないか、と思う。

だが、講義で語られた報道被害はまさに前述のイメージで、「マスコミ=被害者の敵」という位置づけである現実に愕然(とした。
同時に、この現実を直視し、社会的理解を得るための努力をすべきだと思った。

「マスゴミ」と揶揄される時代、メディアの仕事は被害者報道であって、被害者支援ではない―
と正論を振りかざしても、理解も共感も得られないのではないか。(後略)