>北朝鮮製170mm自走砲 「M1989」

こんなやたら鈍重で陣地転換に時間もかかり、次発発射に無暗に時間がかかり、21世紀の水準では
命中精度も劣悪な自走砲も、北朝鮮軍の本来の運用方法なら看過できたんでしょうな。

まずこの手の長射程自走砲は地下化された堅固なバンカー内からの砲撃を運用の前提にしていたでしょうし、
バンカーの後方に同じく地下化された移動用通路を構築しておけば、自走砲を敵の砲火に晒す事無く
安全な陣地転換が行えます。

そして自走砲単体では重い砲弾の装填に時間と労力がかかるにしても、あらかじめ構築されたバンカー内なら
動力式の揚弾クレーンと予備砲弾を備え付ける事で、発射効率を向上させられます。

それに命中精度が劣悪な点にしても、目標が広大なソウル首都圏北部であれば問題ありません。

弾道が数百m逸れたとしても、建物の密集するソウル首都圏ならどこに当ってもいいし、炸薬量の少なさも
ロケット弾よりも持続的な砲撃が行えることで補えます。

逆に言えばそれ以外の用途だとひどく扱いづらい代物なんでしょうけどね。