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バルフームさんは5月5日、住んでいた西部ラタキア県で理髪店を訪れたところ、とつぜん数人の男たちに拉致されて車に押し込められた。そのまま数時間かけて3台の車を乗り継ぎ、ダマスカスにある軍情報部の拘禁施設に連れて行かれた。

 きっかけは、自身のフェイスブックで、アサド政権への軍事支援を続けていたイランと、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラへの批判を書き込んだことだった。

 「彼らはシリアに介入し、たくさんの国民を殺している」

 そんな投稿が問題視され、繰り返し拷問を受けながら、謝罪や撤回を求められた。

 バルフームさんはアサド大統領と同じイスラム教少数派アラウィ派だ。そのため、以前はアサド政権を支持していたが、2011年に内戦が始まり、自身が間違っていたことに気づいた。

 「国民を守るはずの軍が国民を殺しているのを見た」からだ。それ以降、フェイスブックやテレビ出演を通じて政権批判を続けてきたが、これまでは拘束されることはなかった。