英王立防衛安全保障研究所(RUSI)のマルコム副所長は、状況の監視のみを目的とする
国連平和維持軍と異なり、政府が提案する部隊がロシアの攻撃抑止を目的としているならば、
「それは全く違う話になる」と述べた。
「それには信頼できる、十分に武装した部隊が必要で、前線部隊だけでなく、後方支援部隊や
空軍その他も必要だ」、「求められるものがはるかに大きくなる」とチャーマーズ副所長は指摘した。
元NATO司令官のサー・エイドリアン・ブラッドショー将軍は、「象徴的な部隊では済まされない。
悪い行動を観察して傍観する存在では済まされない」と述べた。
その部隊は「NATOが域内で行っているように、実際に侵略を抑止する」必要があると指摘。
そして、将来の紛争がウクライナに限定されないことを明確にする、「ロシア封じ込めのための大戦略」
による裏打ちが必要だと話した。
元イギリス陸軍総司令官のダナット卿は以前、こうした部隊には約10万人の兵士が必要で、
イギリスはそのうちの約5分の2を提供する必要があると推定した。
ダナット卿は15日、「そのような人員はまったく確保できていない」と指摘。この役割に向けて軍を
整えるにはかなりの費用がかかると付け加えた。

ポーランドのトゥスク首相は、ウクライナに部隊を派遣しないものの、軍事的、財政的、人道的支援を続けると述べた。

一方、ドイツのオラフ・ショルツ首相はパリ会議後の記者会見で、現時点でウクライナに部隊を
派遣することについて議論するのは「完全に時期尚早」で、この話題に「少しいら立っている」と述べた。

RUSIのチャーマーズ副所長は、「停戦後にNATO軍がウクライナの地に多数駐留することは
ロシアにとって失敗を意味する。それだけに、現時点でロシアがそのような存在を受け入れるとは考えにくい」と述べた。

イギリス軍の派遣には議会の承認が必要となる。野党・自由民主党のサー・エド・デイビヴィー党首は
「全会一致で賛成されるだろう」と自信を示した。