ABFとDBFの違いだけど…

アナログビームフォーミング(ABF)の場合、素子のアナログ回路(フェイズシフター)によってアンテナ全体・全素子の位相制御を行い

1. アンテナ右60度に強く送受信する状態
2. アンテナ右30度に強く送受信する状態
3. アンテナ正面方向に強く送受信する状態


というふうに、1方向への送受信のみを行い、その方向を順次切り替えることで広範囲の捜索を行う(角度はあくまで一例)

これに対してデジタルビームフォーミング(DBF)は、受信時にアンテナ全体で位相制御・方向付けを行うことはせず、各サブアレイor素子ごとに複数のデジタル信号へ変換を行う
そして、それらの複数のデジタル信号を元に、コンピュータ上で上記1, 2, 3, …の状態を同時並行で再現し、複数方向からの電波を検出する(=マルチビーム)

要はアナログ段階で1方向にビームフォーミング処理してしまうのがABF
それに対してナマに近い受信信号をデジタル変換してコンピュータにブチ込み、コンピュータ上で複数方向へのビームフォーミングを同時再現するのがDBF