イスラエルで政局感が極まってきた。まだ不透明だが、6月にもネタニヤフ政権が崩壊・総選挙に向かう可能性もある。

発端は、ユダヤ教超正統派の徴兵をめぐり、超正統派政党が政権離脱に傾く。ラビの指示によるところが大きい。ネタニヤフ側は免除を続けるとするが、野党側は、免除されることはないと、超正統派政党を切り崩しにかかる。

この中で野党イェシュアティドは、議会解散法案の提出を検討。超正統派政党は、徴兵免除を維持するための揺さぶりとして、この解散法案に賛成する意向とも報道される。可決されれば、政権崩壊。

超正統派政党は基本的には、自分たちの伝統的生活が守られれば、それで良い。だから、右派でも中道でも左派でも組める。ただ、ネタニヤフも座して死を待つことは絶対になく、どんなニンジンをぶら下げるかが今後の焦点。とはいえ、野党側も超正統派の兵役を免除することもなく、説得力には欠ける。

1年以上前からこの問題がネックとなり、ネタニヤフは伸ばし伸ばし、生きながらえてきた。ガラント前国防相の更迭とハレビ前参謀総長への退任圧力は、この2人が超正統派の強制的な徴兵に前向きだったからと発言する音声まで出てきた。
https://www.timesofisrael.com/pm-taped-saying-he-replaced-gallant-halevi-to-enable-haredi-draft-bill-to-pass/

背景は、以下の記事にも書いています。

"この2政党は現在、ネタニヤフ首相率いる与党と連立政権を組んでいる。そのため、ネタニヤフ首相としては、政権維持のために超正統派の徴兵免除を続けたい。しかし、ハマスによる奇襲攻撃を受けて、軍の拡大が予想される中、超正統派だけが引き続き兵役を免除されるという「不平等感」は、そもそも超正統派の多くが仕事に就かずに宗教勉学に励み、政府からの補助金で生活しているという「社会的な負担感」とも相まって、国民の大きな反発につながりかねないセンシティブな問題なのだ"
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/07010556/?all=1&page=4