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しかし、3月にイスラエルがガザ攻撃を再開し、停戦は事実上崩壊した。以来、イスラエルは残存するハマスの指揮系統を標的にし、ハマスは混乱状態に
陥っている。

「治安状況について、はっきり言わせてもらう。 完全に崩壊しているし、完全に消滅した。 もはや統制などどこにも存在しない」と、同幹部は述べた。
「市民は、ハマスの最も強力な治安機関(アンサール)の施設を略奪した。 ここは、ハマスのガザ統治の拠点となっていた場所だ」
「市民は何もかも略奪した。 事務所やマットレス、亜鉛版に至るまで。それなのに誰一人介入しなかった。警察も、治安部隊も」

■「治安の空白」に入り込む武装集団
ハマスの治安部隊幹部は、こうした治安の空白により、暴力的な集団や武装集団がガザの「至る所」で活動するようになったとしている。
そうした集団は「誰彼となく呼び止めて、殺害できる。 誰も介入しようとしない。 
盗人に対抗するため抵抗グループを作るなどして、独自に行動しようとした者は、30分以内にイスラエルに爆撃された」

「したがって、治安などない。 ハマスによる統率もない。 指導力も指揮系統も通信手段もない。
給与の支払いは遅れ、届いても使い物にならない。 給与を受け取ろうとして命を落とす者もいる。 完全に崩壊している」

ガザ中部の都市デイル・アルバラフでは先月26日、市場の治安維持に当たっていたハマスの警察部隊をイスラエル軍がドローン(無人機)で攻撃し、
少なくとも18人のパレスチナ人が殺害されたと、医師や目撃者がBBCに話した。
ハマスの警察の部隊員は当時、民間人の服装をして、法外な高値で販売したり、トラックから略奪した支援物資を売ったりしている人を取り締まっていたという。

イスラエル軍は、ハマスの治安部隊に所属する「複数の武装したテロリスト」を攻撃したと主張した。

治安の空白が生じる中、ガザの強力な地域グループとつながりのある6つの武装集団が、この空白を埋める強力な代理勢力として浮上していると、
前出のハマス治安部隊幹部は話す。

これらの集団には資金や武器、人員を集める力があり、南部を中心にガザ全域で活動している。(続く)