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そのうちの一つは、ヤセル・アブ・シャバブ氏という人物が率いる集団だ。
この集団は、イスラエル占領下のパレスチナ・ヨルダン川西岸地区に拠点を置くパレスチナ自治政府や中東諸国の関心を集めている。
イスラエルが先月、同集団に武器を供与していることを認めたことで、さらに関心は高まった。
ハマスは、アブ・シャバブ氏が多くの敵対勢力にとって統一の象徴となりかねないと恐れ、同氏に高額の懸賞金をかけていることを、ハマスの
治安部隊幹部は認めた。

「ハマスは通常なら、盗人には目もくれない。 市民が飢えているので、(戦闘員は)さらなる混乱を招くことは望んでいない。 だが、この男は別だ。
ハマス戦闘員はこの男を見つけたら、イスラエルの戦車ではなく男を追うかもしれない」
ガザの情報筋はBBCに対し、アブ・シャバブ氏がほかの武装集団と連携し、ハマス打倒を目指す共同組織を設立しようとしていると述べた。

■ガザで勢いを増す集団
現在はエジプトの首都カイロ在住だというパレスチナ治安当局の元メンバーは、アブ・シャバブ氏のネットワークが勢いを増していると指摘する。
この人物はかつて、イスラエルで爆破攻撃が相次いだ後、1996年にハマス軍事部門を弾圧した部隊に所属していた。

「アブ・シャバブ氏が率いる集団がハマスの弱体化に成功すれば、まるで引く手あまたの孤児のように、誰もが彼らを迎え入れようとするはずだ」と、
この人は話す。

そして、「すべての交渉当事者が表向きには、ガザの武装集団とのつながりを否定している。
しかし、アブ・シャバブ氏はパレスチナの情報当局高官と3度面会しているし、(エジプトの)シナイ半島にいる親族を通じて、エジプト側を安心させるような
メッセージを送っている」と主張した。

さらに、アブ・シャバブ氏が「ムハンマド・ダハラン陣営とも良好な関係を維持している」と付け加えた。
ダハラン氏はガザの元治安当局責任者で、15年前にパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長と対立して以来、亡命生活を送っている。(続く)