ウクライナ側は、遺体がウクライナ兵のものかどうか確認を進めている。

直接和平協議では、双方はそれぞれ6000人の遺体の返還と、病気や重傷、25歳未満の捕虜の交換で合意した。

ウクライナ政府によると、16日には兵士1245人の遺体がロシアから返還された。今回の合意でウクライナが引き取った遺体はあわせて6057人に上る。ウクライナは現在、すべての遺体がウクライナ兵のものかどうか確認中だとしている。

一方でロシアは、計6060人の遺体をウクライナに引き渡したと主張。ウクライナからは、計78人の遺体が返還されたとした。

ウクライナのイホル・クリメンコ内相は、ロシアが「意図的に身元確認プロセスを複雑にしている」と非難した。「遺体はひどく切断された状態で返還された。(同じ人の)遺体の複数の部位が異なる袋に入っている」。

遺体返還について調整するウクライナ政府機関は声明で、「さらに1245人の遺体がウクライナに返還された」と発表した。

こうした中、ロシア国防省は声明で、ウクライナ兵1248人の遺体をウクライナに引き渡したと主張した。

ウクライナとロシアが発表した人数が一致しないことについて、ウクライナのクリメンコ内相は、以前の返還時にウクライナが「引き取ったウクライナ兵の遺体の中に、ロシア兵の遺体がまざっていた」と指摘した。

ロシアは近ごろ、掌握する地域を拡大しており、戦死した自国の兵士の多くを収容できているとみられる。そのため、双方が引き渡した遺体の数に差が生じている可能性がある。

両国間の信頼は著しく低下している。それは、死者をめぐっても同じだ。