>>211

「孤立」という言葉を使うなら、事実関係を整理する必要がある。現在、ロシアはG7・EU・NATO諸国との経済・金融・技術・軍事協力から排除されており、国際的な制度・資本・技術ネットワークからの孤立はロシア側に顕著である。

一方、西側諸国は依然として世界のGDPの過半を占め、国際金融・技術・安全保障の主要な枠組みを維持している。BRICSやグローバルサウスとの関係が変化しているのは事実だが、それは「孤立」ではなく多極化への対応であり、制度的な断絶とは異なる。

さらに、国連総会での対ロシア決議に賛成した国の数は圧倒的に多く、国際法上の支持を得ているのは西側の立場である。ロシアが支持を得ているのは一部の権威主義国家や中立国に限られ、制度的・経済的な接続性では比較にならない。

加えて、ロシアの衛星国となった地域では、政治的自由の制限、報道の検閲、反体制派の弾圧が常態化しており、住民は秘密警察による監視と粛清の対象となる。経済面でも外資の流入は乏しく、産業構造は旧ソ連型の非効率な計画経済に近い形で停滞。若年層の失業率は高く、医療・教育・住宅などの公共サービスも不安定で、生活水準は構造的に低迷している。

つまり、孤立しているのは西側ではなく、制度的に遮断され、衛星国に対して抑圧的な支配を続けるロシアの方である。感情的な罵倒ではなく、歴史的・制度的・生活実態に基づいた構造的な事実で判断すべきだろう。