>>227
遺体交換数をもとに戦死者数の比率を断定する主張には、複数の重大な前提の不備がある。
第一に、戦史における遺体回収の差が損害比を「証明」するとされるが、これは事例依存の経験則に過ぎない。ウクライナ戦争においては、前線の流動性、精密誘導兵器やドローンの常時運用、敵支配地域における回収困難といった要因により、遺体の確保そのものが戦術的に制約されている。これは戦略の失敗ではなく、消耗戦における戦術上の選択の結果である。
第二に、米英の国防当局やIISSなどの分析機関が「操作可能な情報源のみ」で損害を推定しているという主張は、客観的根拠を欠く。これらの機関は衛星画像、兵員ローテーション、医療搬送数、捕虜情報など多角的なソースを基に推定を行っており、仮に西側の情報操作を疑ったとしても、ロシア側の死傷者がウクライナ側を上回るとする推計が主流であることに変わりはない。
第三に、赤十字の管理下で遺体交換が行われていることは事実であるが、その過程が完全に透明かつ厳密であるという保証はない。ウクライナ側は、同一遺体の多重梱包やロシア兵の混入など、交換数の信頼性に疑義を呈しており、こうした指摘は交換開始以前から報告されている。
第四に、「ウクライナが40倍死んでいる」といった極端な推定は、ロシア政府でさえ公式には行っていない。ロシア国防省は戦死者数を公式には約6000人と発表したのを最後に沈黙を保っており、遺体交換数に基づいた損害比の評価も、独立系ロシアメディア(Медиазона、BBC Russianなど)含めて確認されていない。交換数を損害の尺度として積極活用しているのは、むしろ一部の非公式論者にすぎない。
第五に、こうした不確かな前提を根拠に断定的な主張を展開すること自体が、客観的な議論ではなく、情報戦の論理やイデオロギー的誘導の構造に属する。戦死者数という複雑で多因的な指標を、交換数という単一かつ政治的に影響を受けやすい数値から断定するのは、論拠の脆弱性を自ら露呈しているものである。
探検
ウクライナ情勢475 IPなし ウク信お断り
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234名無し三等兵
2025/07/13(日) 18:17:31.65ID:hPMGCwRN■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
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