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ロシアがウクライナを徹底的に叩く背景には、周辺国や国内の非ロシア系住民に対する見せしめ的な意図があるとされる。特に旧ソ連圏の構成国やロシア国内の少数民族に対し、「西側志向や民主化は破滅を招く」というメッセージを発信することで、政治的覚醒や独自路線の抑制を狙っている。

しかし、ウクライナが予想以上に粘り強く抵抗し、国際的な支援を受けながら戦争を継続していることで、ロシアの威圧的な統治モデルに対する信頼は周辺国で低下しつつある。実際、南オセチアでは親ロ派大統領が選挙で敗北し、アゼルバイジャンではアリエフ大統領がウクライナに「占領に妥協するな」と助言するなど、非ロシア系国家指導者が自立的な発言を強めている。

さらに、2024年末にはシリアのアサド政権が崩壊。ロシアの支援を受けていた長期独裁政権が反体制派により打倒され、アサド大統領はモスクワに亡命した。

この出来事は、ロシアの影響力が中東でも後退していることを象徴しており、ロシアの「見せしめ戦略」が逆に周辺国の締め付けを緩める結果につながっていると見る向きもある。

ウクライナの抵抗とアサド政権の崩壊は、ロシアの権威主義モデルが万能ではないことを示す事例となり、旧ソ連圏や中東諸国における政治的再編の契機となっている。