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ロシアにおける極右勢力による暴力事件は、単なる「移民」や「外国人」を標的としたものではなく、外見的特徴に基づく人種的動機が明確に確認されている事例が複数存在する。

たとえば、2010年のモスクワ暴動では、極右・ネオナチ系の集団が「ロシア人のためのロシア」といったスローガンを掲げ、コーカサス系やアジア系と思しき人物を無差別に襲撃したhttps://synodos.jp/opinion/international/2244

また、人民民族党などの極右団体は、公式文書や演説において「カフカス人、アジア人、黒人の追放」や「ロシア人のみのためのロシア」といった明確な人種主義的主張を展開しており、外見的特徴に基づく排除思想が確認されているhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/jarees2001/2002/31/2002_31_57/_pdf

さらに、ロシア連邦人権報告書(2020年版)では、チェチェンや北コーカサス出身者、LGBTI、中央アジア系住民などに対する暴力・拷問・拉致・差別が広範囲に報告されており、これらの行為は外見的特徴や民族的出自に基づくものであると記録されているhttps://www.moj.go.jp/isa/content/001380856.pdf

一方、ロシアの人権委員会による報告の信頼性については、国際的な評価は分かれている。国連人権理事会は2022年にロシアの理事国資格を停止しており、その理由として「重大かつ系統的な人権侵害」が挙げられているhttps://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2022/04/932447.html
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220408-OYT1T50178/

また、ロシアが人権理事会から自発的に脱退した事実は、国際的な人権監視体制との乖離を示している。

以上より、「人種的動機ではない」「外見的特徴は関係ない」とする主張は、複数の実証的報告と矛盾しており、ロシア国内における人種的暴力と制度的黙認の構造を過小評価するものである。

https://www.moj.go.jp/isa/content/001380856.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jarees2001/2002/31/2002_31_57/_pdf https://synodos.jp/opinion/international/2244/