>>653
シーパワー論とリムランド理論は安倍ドクトリンだけでなく吉田ドクトリンのみならず
何なら今の日本政府のドクトリンにも共有されている(GCAPともがみの販売先を見るといい)んで
それだと安倍ドクトリンには特筆すべきものは特に何もないということになるぬ
共通の要素に抽象化しすぎた結果常に正しいが意味がない状態に陥るのは理論家あるあるだぬ

安倍ドクトリン、吉田ドクトリン、現行日本政府ドクトリンの差異はシーパワー論ではなく
それを具体的にどう実行するかという”手順”にあって
安倍ドクトリンでは露中を「(韓国と違って)外交的なゲームが可能な国」(安倍自身の言)と定義することで
価値観を共有する国々の正式な同盟に至らない緩やかな連帯(FOIP)によって「状況のエスカレーションを避けつつ」
「外交的」に抑止することが可能であるとし、かつそれを目指したぬ
そのことはクリミアがあってなおプーチンに取った融和的な態度、韓国との外交「戦争」にも関わらずなぜかろくに上がらない防衛費に現れていたぬ
ところが中国のコロナ(ウィルス兵器)攻撃、ロシアのウクライナ侵攻で上のどちらの前提も大間違いであることが明らかになったぬ
中国もロシアも会話の通じない馬鹿であり、かつ状況は思いっきりエスカレートさせられてしまっている
最後は安倍自身の暗殺によってトドメを刺されたぬ
FOIPに抑止力はなかったぬ
現にウクライナ戦争もコロナウイルスの散布も防げなかったんだから
QUADはもはや影も形もないぬ
重要な一角だったはずのインドは対ロ2次制裁で叩かれ、いまインド太平洋を主導しているのはQUADではなくAUKUSだぬ
アメリカもヨーロッパの極東への介入を嫌ってイギリスの空母派遣に中国よりもっと自国近辺に集中しろと小言を言ってるぬ
イギリスはオーストラリアの支援もあってある程度それに抵抗するかもしれんけど
こうなると戦略ではなくただの戦後秩序を睨んだ利権争いでしかないぬ
外交は相手にも外交をする気がないかぎり成立せんぬ
それを呼びかけた安倍自身が温かい言葉に銃弾で返された以上、断られた可能性が高いんじゃないかぬ
こうして外交よりももっと「武断的な」処置が必要になった結果生まれたのが
ウクライナ戦争以後の日本の防衛費の急激な伸びであり現行日本政府ドクトリンだぬ
世界に共通の価値観など1つもなく、あるのは唯一共通の純粋な暴力のみだったというのが今の世界であり、そして安倍ドクトリン、FOIPの結末だぬ
まぁそれを唱えていると保守層を中心に国民を安心させる効果は引き続きあるんで、今後も言葉自体は法華経の念仏みたいに使われ続けはするんじゃないかぬ
中身は既になくなって、そのまま放置か別のものに換骨奪胎されてしまってるけど、旗印は誰にとってもありがたいもんだからぬ
安倍の死体から皮を剥ぎ取って旗竿に縫い付けてるみたいで正直グロいと個人的には思うがぬ(いいかげん安らかに眠らせてやれよと)