>>422
EUの被選挙権制限を持ち出しても、ロシアの「住民投票」や「解放」主張の正当性とは別問題である。
EUでは制度の透明性と国際監視があり、複数政党が競合し、結果検証も可能だが、ロシアの選挙は野党排除と情報統制の下で行われている。制度の外形が似ていても実質は異なる。

2014年のクリミア編入時には、親露派武装勢力指導者のギルキン(ストレルコフ)が、軍の圧力で住民投票を行わせたと後に認めている。これは自由意思による投票ではなく、事実上の脅迫だったことを示している。
こうした前例を踏まえれば、ロシアが現在の編入や「解放」を住民の意思で正当化する構図は、信頼性を欠く。

EU批判で論点をそらしても、軍事力を背景にした領土編入と、自由意思の投票が担保されていないという問題は消えない。比較対象を持ち出すのではなく、事例ごとに評価すべきである。