>>786
先進国の工業力が一部で停滞しているのは事実だが、それが即座にロシアの相対的優位を意味するわけではない。ロシア自身も、制裁・資本流出・技術孤立・人口減少・腐敗構造など、構造的な制約を抱えており、工業力や軍事力の持続性には限界がある。
アジアの発展が戦争と無関係という指摘は一部正しいが、ロシアの影響力が弱まることで中国の戦略的選択肢が狭まり、インド太平洋の安定に寄与する可能性もある。日本が例外的に停滞しているという見方もあるが、それは国内政策の問題であり、ロシアとの関係性で解決するものではない。
パトリオットの技術的限界を挙げているが、米国の防空技術はTHAADやAegis、SM-6など複数の層で進化しており、湾岸戦争当時の水準とは異なる。軍事技術は工業力だけでなく、ソフトウェア・AI・通信・宇宙技術など多分野の統合によって進化しており、単純な工業力の比較では測れない。
「先進国は老いた」という表現は感情的だが、制度・技術・資本・同盟網を含めた総合力では、依然として西側が優位にある。現実を直視するなら、ロシアの強さではなく、ロシアの限界と西側の持続力を冷静に比較する必要がある。